オルタネーター(ダイナモ)の故障? 交換前のトラブルシューティング


ご存じですか?

バッテリー上りや電圧不足でオルタネーターの故障と判断しての交換作業は当たり前のように行っていると思います。 しかしオルタネーターやバッテリーを交換したのに、直ぐにバッテリーが上がってしまうといった事例があります。

長年に渡り、オルタネーターの交換理由をお客様からお聞きして来ましたが、最も多い理由が、『バッテリが上がる』からですね。しかし、これだけの理由では単なる憶測での交換作業となります。

実際、お客様から返却されましたオルタネーターを確認すると少数ですが不具合の無いコアがあります。
安易な点検、交換作業では、不具合が再発するのは間違いありません。

不具合が起きた際に、それぞれの部品に対して診断することが、漏れのない点検整備です。
現場ではサーキットテスターを使って点検している姿を見かけますが、単純に 出力電圧だけのチェックでは成否判定は出来ません。


オルタネーターの構造と仕組み


オルタネーターは、エンジンの回転を利用して、ベルトを介しプーリを回し発電していますが、低回転でも高回転でも発電量が一定に保たれるシステムになっています。

下はオルタネータの分解図ですが、主要部分のみ部品名の記載をしており、 それぞれの部品の役割を簡単に説明します。


エンジンの回転を利用し、ベルトを介しローターコイルに固定されているプーリーを回しています。

ローターコイルの前後にはベアリングが装着されており、ステーターコイルの内をスムーズに回転します。

ローターコイルが回転すると、ステーターコイルで交流電流が発生、レクチファイヤ(ダイオード)で整流し直流に変換しています。

ローターコイルの後方には、スリップリングと呼ばれる部分があり、発生した電流を取り出すブラシが装着されています。このブラシは、スプリングによりスリップリングに常に圧接しています。

ICレギュレータはオルタネータで発生した電流の電圧を範囲内に保つ働きをしています。


オルタネーター故障事例


1.ブラシ

コイルで発生した電流を取り出す重要な部分で、回転による摩擦で摩耗が進むと充電量が落ちてくる。

2.ローターコイル

シャフトの先端、スリップリングはブラシが当たる部分で、ブラシと共に回転による摩擦で摩耗が進むと充電量が落ちてくる。

3.ステーターコイル

コイルの表面はエナメルで被覆されていますが、経年劣化等で損傷し、ショートするとコイルの機能が損なわれ発電しなくなる。

4.レクチファイア(ダイオード)

経年劣化等により、機能が損なわれると、ステーターコイルに発生した交流を直流に変換できなくなる。

5.ICレギュレータ

出力電圧が低いときは出力を上げ、出力電圧が高いときは下げるという、調整電圧を範囲内に保つ重要な働きがあるが、故障すると充電不足、過充電という症状が発生する。

6.ベアリング

摩耗すると振動や異音が発生し、ローターの 回転軸が狂って振れ出すと発電効率が落ち 、ベルト駆動にも影響 が出ます。破損すればオルターネーターがロックし 最悪の事態に至る可能性もあります。


オルタネーターのトラブルシューティング